流行るデリヘル店はぽっちゃり女性を選ぶ

無店舗型の経営がいかに大変か

風俗店の経営はかなりのセンスを問われるソープランドやファッションヘルス、受付所のあるホテルヘルスなどは「店舗型」と言われている。
法律的な差異は別として、いわゆる「男性客がふらりとやって来て、性的サービスを受ける」お店である。
そのような「店舗型」に対して、「無店舗型」であるデリバリーヘルスは運営がなかなか難しい状況が続いている。
1万3000店とも5000店とも呼ばれる性風俗店であるが、デリバリーヘルスは2009年を頂点にして過当競争が続いている。
店の数が多いため、人妻・熟女・超熟女、ぽっちゃり、オタク、若スリなどジャンルも飽和状態で男性客の奪い合いが起きており、リピーターの確保は命題だ。
ふらりと電話をかけてきたフリーの客には、要望に存分に応えられる、質の高い女性をつけなければ、リピーターにはなってくれない。
立地的優位性のある店舗型ならば、少々の取り逃しは許せるかもしれないが、無店舗型ではそうはいかない。
やる気もルックスも並な女性ならば、求人に応募しても採用されることはまずありえないだろう。

デリヘルが新規開店する理由

デリヘルの世界は入りやすいが継続が難しいとにかく、デリヘルは開業が容易である。
極端な話、日本全国どこでも開業可能で、自宅兼用事務所で手持ちの携帯電話とパソコンを利用、人件費も自分ひとりであるならば、3400円の届出手数料さえ負担すれば、書類一枚だけで開業できるのだ。
事務所の図面と住民票を添付した、「無届け型性風俗特殊営業開始届け出申請書」を管轄の警察署内の公安委員会宛に提出するだけで、10日後から営業がスタートできる。
賃貸の場合は2006年からは大家の承諾書が必要であり、一般的な賃貸物件では不動産価値が下がるため承諾を得るのは難しいだろう。
承諾が得られる物件は、おそらくすでに同業のデリバリーヘルスの事務所ばかりになっているが、撤退する場合も多いので、賃料を考慮しなければ空き物件を探すのは実はさほど難儀ではない。
2009年頃には、脱サラしてデリヘル経営を始める異業種参入が多くあった。
現在はピークを過ぎたとはいえ、年間2000件ほどのデリヘル(無店舗型性風俗特殊営業届出店)が新規開店している。
デリヘル店の総件数は2万とも2.5万とも言われているが、事実上新規と同数の2000店舗ほどが廃業をしているとも考えられ、実態は1万軒程度の横ばいが続いているのがこの5年ほどだろう。

リピーターを確保できる女性を求めて

実は、デリヘルで一番難儀なのは、運営コストである。
リピーターがついてコンスタントに売上があげられるまでは、莫大な広告費がかかるのだ。
割合としては、男性客を集めるための営業広告が70%、あなたたち女性にのための求人広告が30%とも言われている。
自社のホームページ作成は必須とも言われているが、男性客にも、仕事を探している女性にも見られるホームページにするためには、やはり広告費が必要となる。
男性客向けの営業サイトと女性向けの求人サイトを別々にもっているなんてことはもはや、中小の風俗店でも当たり前になっている。
風俗で働きたいといっても、誰でもいいわけじゃない要はリピーターを確保できるまで、どれだけ広告費をじゃぶじゃぶ出費できるかがデリヘル経営の肝なのだ。
おそらく、資金力のある大手チェーン店を除けば、開店して半年程度は黒字になる店舗は稀であろう。
そのような経営状態であるデリバリーヘルスにとって、稼げる風俗嬢とはリピーターを捕まえてくれる、店にとってはダイヤモンドのような貴重な人材なのである。
そんな貴重な人材とは、スマホAV時代の昨今、「リアルなコミュニケーション」と「量的優位性」を兼ね備えた女性であり、つまりは「ぽっちゃり痴女」なのである。
前回のぽっちゃり求人の特異性でも述べた通り、ぽっちゃりなだけでもだめ、痴女なだけでもだめ、両方を兼ね備えてこそ初めて、稼げるぽっちゃり風俗嬢としてのスタートラインに立てるということなのだ。
では、「量的優位性」をアピールするためにぽっちゃりをどのように活用してリピーターを獲得につなげればよいのだろうか。
次回はAV業界を例として、AV女優にはどんな資質を持つ女性が求められているのかについて書きたいと思う。